オムレツや卵焼きなどの卵料理に砂糖を加えると起こるこんな効果


オムレツや卵焼きなどの卵料理に砂糖を加えて調理すると出来上がりの硬さが変わることをご存じでしょうか?

卵に砂糖を加えると焦げやすいということをご存じの方はいると思いますが、実は砂糖によって卵の硬さも変わってしまうことが分かっています。

ふわっとした卵を作りたいだとか、固まるのが早すぎてスが入ってしまうといった悩みがある人は多いかと思いますが、砂糖の量を調整することでもしかしたら解決するかもしれません。

砂糖で卵がやわらかく&スが入りにくく

卵液に砂糖を加えることで加熱したときに硬くなりづらくなります。

ある実験(1)では、卵液に対して砂糖を、
  • 0%
  • 10%
  • 20%
  • 30%
の割合で加えて加熱することによって、硬さがどのように変化するのかを調べました。

その結果、
  • 砂糖を加える量が多ければ多いほど、加熱したときの卵がやわらかくなる
ということが分かりました。

甘さを気にしなくて、単にふわふわな卵を焼き上げたいときは、砂糖を加えることによって理想のものに近づくというわけですね。

また、オムレツや玉子焼きなんかは慣れていないと作るのが難しいのですが、ふわふわにすることによってより成型しずらくなって難しくなるんじゃないの?という人もいると思います。

しかし実際は、
  • 砂糖を加える量が10~20%までであれば、卵は柔らかくなるのにもかかわらず、ほとんど強度は変わらなかった
そうな。さすがに卵に対して30%も砂糖を入れてしまうと、柔らかくなりすぎるからなのか焼いているときにまとまりづらくなるようですが、20%までであれば卵の脆さは全く変わらなかったようです。

つまりあまりに砂糖を入れすぎない限りは、卵がふわふわになるメリットがあるにも関わらず、難易度も変わらないで作れるわけですな。

玉子焼きやオムレツの一般的なレシピを見てみても、
  • 卵2~3個(100~180g)に対して砂糖大さじ1(15g)ぐらい
のレシピが多く、よっぽどの甘党でない限り20%を超えることはないので、ふわふわに卵を焼き上げたいときは砂糖を入れてみることも検討してみていいかもしれません。


なんでこんなことが起きるの?ということに関しては、砂糖にはタンパク質の凝固抑制効果があるためです。

卵の主成分は水分とタンパク質ですが、そこに砂糖が加わることにより、砂糖が卵の水分を吸収します。いちごに砂糖を振りかけてしばらくおくと、水分が出てくるのと同じことですね。

そして、加熱したときに蒸発して逃げる水分量が減ります。
加熱によってたんぱく質の構造が崩れたところに水分が入り込みますが、水は100℃を超えませんから、、水分の含まれる割合が多くなるほど加熱したときの卵の温度は低くなるのです。

その結果、凝固し始める温度が高くなって卵の固まり方が緩やかになり、柔らかくなるというわけです。

ちなみに10~20%ほどの砂糖を加えたときに起こる凝固抑制効果は約15℃ほどだそうで、砂糖を加えるだけで100℃で熱しても85℃の温度で熱したときと同じぐらいのふわふわ加減で調理できるようですな。

ただ、砂糖を入れた場合焦げやすくなるのでご注意を。卵単体だと200℃を超えないと焦げ付くことはありませんが、砂糖は160℃あたりからどんどんと色づき始めますので、砂糖を入れて調理するときは少し低めの温度で調理するとうまくいくでしょう。

またゆっくりと固まるので、スが入りにくくなるという効果もあるのだそう。
茶碗蒸しを作るときに温度を高くし過ぎるとㇲが入ることがありますが、砂糖を加えることによりそれも起こりにくくなるわけです。

まあ、甘い卵が好きになれない人なんかには向かない方法ではありますが、ネギなどを加えるなど甘味に苦味を足すとすこしはマシになるかもしれませんので、お試しあれ。

どうぞよしなに。


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