雰囲気や業績が良いチームはこんな食事をしてるぞ、という研究
食事の内容を変えるだけで、仲間との人間関係が良くなったり、しかも協力し合うことで仕事の業績もアップするとしたらいいと思いませんか?
一緒に食事をすることで仲が深まるとはよく言いますが、実は食事の内容によって人間関係の良し悪しが決まるということが分かっています。
これは2016年にシカゴ大学で行われた実験(1)なのですが、「同じような食事をすることによって人間関係はどう変わるの?」ということを調べてくれたものになります。
同じような食事で信頼関係がアップし互いに協力し合う
実験では約1400人の参加者を集め、見知らぬ人同士をペアにしました。
そして信頼ゲームという、別名投資ゲームとも言われるもののをしてもらったそうです。
ゲームのルールをざっくり言うと、
- 第1プレイヤーは第2プレイヤーにお金を渡す
- 第2プレイヤーが渡されたお金は2倍になる
- 第2プレイヤーは第1プレイヤーに分け前を与えなくちゃいけない
みたいな感じです。信頼関係を測るために行動経済学でよく行われるゲームなのですが、互いの信頼関係が無いと互いに相手に渡すお金は少なくなる傾向にあります。
この実験だと見知らぬ人同士なので、さらに渡す額は少なくなることが予想されますわな。
そしてさらに、参加者を次の3つのグループに分けたそうな。
- ゲームの前に同じキャンディーを食べてもらうグループ
- ゲームの前に違う種類のキャンディーを食べてもらうグループ
- 何も食べないでゲームをやってもらうグループ
「食事の内容が似ているかどうか、が信頼関係に影響するのか?」ということと、
そもそも「食事を一緒にすることって良いのか悪いのか?」を調べたわけですね。
その結果何が分かったかというと、
- 同じキャンディーを食べたグループは互いに最もお金を渡しあい、結果一番多く稼いだ
- 一番成績が悪かったのは、違う種類のキャンディーを食べたグループだった
ということらしいです。つまり、同じものを一緒に食べたグループは信頼関係がアップし、互いに協力してお金を稼ぐようになったというわけですな。
さらに「相手を友人として見れますか?」という質問に対し、
- 同じものを食べたグループは、62%
- 違う種類のものを食べたグループは、43%
- 何も食べなかったグループは、56%
の人が相手を友人として判断したようです。
意外なのは、違う種類のものを食べたグループは、食事を一緒にしなかったグループよりも信頼関係が低くなったという点ですね。
よく一緒に食事をすると互いの仲が深まるということが言われますが、同じものを食べないともしかしたら逆効果になるかも?ということですな。
この実験では見知らぬ参加者同士を対象にしているので、すでに関係がある程度できている人同士ではどうなのかということについては何とも言えないところではありますが、とりあえず初対面の人と食事をするときは同じものをチョイスしたほうが良さげな感じ。
同じ実験で今度は、仕事上の交渉をしてもらうということもやったのですが、交渉中に同じ食事をしたグループは違う食事をしたグループに比べて、約2倍も早く交渉が終わったという結果に。
互いに協力関係ができるために問題解決能力も上がり、仕事の効率化にもつながるわけですね。
このことに関して研究者は、
同じものを食べているからと言って、その人が信頼できるかどうかや仲良くするべきかどうかを決める証拠にはならない。しかし、人間は同じものを食べているというだけでその人を近しく感じて信頼してしまう。食べ物は私たちの体に入れるものであり、信頼できるものでなくてはならない。それほど食事の力というのは強力なのだ。
と。 自分の食べているものは信頼できるものなので、同じものを食べている人も信頼できると錯覚しちゃうということなんですな。
また他のジャーナルではこの実験結果から、初デートのような相手との関係性がまだできていないころの食事は相手に合わせると良い、とまで言っております。
レストランでの初デートで食事を注文するときに、「何にしようかなぁ…」と悩んだ末「あなたと一緒のものを食べる」とすれば相手の印象は良くなるんじゃなかろうかみたいな感じです。毎回同じものを食べているカップルはどうかとは思いますが、初デートぐらいは使ってもありなんじゃないでしょうかね。
あとよく飲食店とかでは、賄いは好きにメニューから自分で作って食べてください、みたいなシステムを取っているところは多いんですけど、この実験を考えると仮に食べる時間がバラバラだったとしてもみんなに同じものを作ってあげて食べさせてあげたほうが、人間関係も良くなるわ仕事の業績も上がるわで良いんでしょうな。
どうぞよしなに。
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