最も美味しいおにぎりのための塩の付け方
コンビニやスーパーで気軽に買えるおにぎりもいいですが、添加物とかの問題もあって出来れば自分で作りたいところ。お弁当や夜食などに作っておくと何かと重宝しますよね。
しかし、おにぎりを作ること自体は簡単なものですが、「美味しいおにぎり」となると話は別。母親と同じように作ってるつもりなのに、なぜかうまくできなかったり。
シンプルな料理なだけに、大変奥深い料理でもあります。
特に塩の付け方なんかはいろんなやり方があって、
「手に塩や塩水をつけて握ったり」、「直接振りかけたり」、「混ぜ込んでみたり」、多種多様ですよね。
そこで、FCG総合研究所が美味しいおにぎりの作り方を検証(1)してくれていたので、それをもとにどれが一番おいしい塩の付け方なのかを考えたいと思います。
究極は塩炊き
実験では0.5%の塩分濃度になるよう、次の3パターンで塩を付けたおにぎりをそれぞれ比べました。
- 成型したものにまんべんなく塩を振ったもの(塩5.3g/3合)
- 炊きあがった米に塩を混ぜ込んだもの(塩5.3g/炊きあがりの米1060g)
- 炊くときに塩を入れて炊いたもの(塩0.5g/炊きあがりの米100g)
そしてそれぞれ1時間放置し、
- 塩味
- 甘み
- 硬さ
- 総合的なおいしさ
について評価しました。おにぎりは基本お弁当とかで時間が経ってから食べますからね。日常を想定し、少し放置したうえで塩味を付ける方法によっておいしさにどんな変化があるのか調べたわけですねえ。
その結果、
- 総合的なおいしさで最も評価が高かったのは、塩で炊いたもの
だったそうです。ちなみに塩振りと混ぜ込みの総合的なおいしさには、ほとんど違いはなかったそうな。
浸透圧が米の食感を変える
塩で炊いたものが一番おいしいという評価になったのは、炊飯するときの水の塩分濃度が高まるほど浸透圧が高まり、米粒に水分が吸収されにくいため塩水で炊いた米粒は表面がベタつかなくなるためです。
炊き込みご飯を作るときに、水からしっかり吸水させないまま醤油などで味をつけてしまうとうまく吸水されず、芯が残ってしまうのと同じ原理ですね。炊き込みご飯を作るときの塩分濃度は約1.5%と高いですが、おにぎりを作るときの塩分濃度は約0.5%と低いので芯が残るほど吸水の妨げにはならないのです。
つまり、全体の水分が少なくなったため適度な硬さになり、食べた瞬間ほろほろと崩れるおにぎりが完成したたわけです。
そして、3パターンの中で「塩を振ったもの」が最も硬いと評価されました。
これは浸透圧の効果により、表面の米粒の水分が抜け硬くなったためです。
おにぎりの表面だけに塩を振ったとき、表面だけの浸透圧が高まり、米粒から水分が抜け硬くなります。
おにぎりを口にしたとき一番最初に歯にあたる部分なので、表面が硬いと全体として硬く感じるわけですな。
手に塩をつける方法は?
手に塩や塩水をつけて握る方法は、振り塩の場合よりも確かにまんべんなく塩は付くでしょうが、表面だけに塩が付くことには変わらないので同じでしょう。
加えて、手で握ることには黄色ブドウ球菌のリスクがあります。
黄色ブドウ球菌とは、ヒトの皮膚や傷跡、唾、あと手で触ったいろいろなものなどに付着している菌です。この菌が出した毒素が下痢とか吐き気、めまいを引き起こして厄介なんですよね。熱にめっぽう強いので、レンジで加熱したりとかしても消えるもんでもありません。
35~40℃ぐらいで最も毒素が排出されやすいので、弁当などに入れて常温で長時間持ち運ぶようなおにぎりだと気をつけなくちゃいけない菌なわけです。
なので、手に塩をつける方法は食中毒の観点からもあまり推奨できないので却下いたします。
おにぎりのためだけに米を炊いてなんかいられない!
とは言え、大量におにぎりを握る予定でもなければ、おにぎりのためだけに米は炊かないですよね。塩を入れて炊いてしまえば、普通に食べるときにしょっぱいでしょうから。
あくまで最っとも美味しいおにぎりの塩の付け方というだけで、実際には塩で炊く方法以外を考えたいところです。
そこで、炊くときに塩ではなく「にがり」を入れる方法を提案します。
塩を入れて炊くときのメリットは全体に塩が均等になるというのもありますが、ほろほろと崩れる硬さになることろが一番です。
にがりには塩と同じく食材の浸透圧を高める効果があるのですが、塩と違って味はほとんどしないです。そのため、にがりをいれて炊いても普通におかずと一緒に食べることができるわけですね。
そして、塩を付ける方法ですが塩混ぜのほうが表面が硬くならず、さらに舌に塩が触れる量が少ないため甘みが強く感じるそうなので、塩を混ぜる方法がベターかと。
そしてそのあと、直接手では握らずラップなどにくるんで握ってくださいませ。
また同実験で、おにぎりの型を使って作った場合も、ラップを使って手で握った場合と比べて大差ないという結果も出てるので、おにぎり型を使うのも一つの手かと。
そしてそのあと、直接手では握らずラップなどにくるんで握ってくださいませ。
また同実験で、おにぎりの型を使って作った場合も、ラップを使って手で握った場合と比べて大差ないという結果も出てるので、おにぎり型を使うのも一つの手かと。
まとめ
- 最も美味しいおにぎりを作りたいんだったら、塩水で炊くのがベスト!
- 塩を振るのはおにぎりの表面を硬してあんまりよろしくない
- 手で直接握ると食中毒の危険性あり
- 塩炊きが嫌なら、にがりを入れて炊き塩を混ぜ込む方法がベター
どうぞよしなに。
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