シチューや煮込みに!最も美味しい牛すね肉のフォンの下処理方法
牛すね肉は文字のごとく、牛の足の部位です。体の中でもっとも筋肉を使う部分なので、筋が多くすごく硬いのですが、長く煮込めばその硬いコラーゲンも柔らかくなりうま味に変わります。
しかし同時にアクも大量に出るので、下処理の方法が重要になってきます。鶏ガラや豚骨のようにうま味の強いスープを作るには、アクの取り方が重要というわけです。
そこで牛すね肉を使ってスープを作るときに最も適したアク取り方法は何なの?ということが実験されていましたのでご紹介します。
4パターンのアク取り方法で比較
実験では、次の4パターンで牛すね肉のスープストックを作りました。
- 水に牛すね肉を入れすぐに加熱(A)
- 水に2時間牛すね肉を浸し、肉を入れたまま加熱(B)
- 水に2時間牛すね肉を浸し、肉を取り出し、その液体だけ加熱(C)
- 水に2時間牛すね肉を浸し、肉を取り出し、別の水で肉を加熱(D)
肉の量は1Lの水に対して300g。加熱は100℃で1時間行いました。浮いてきたアクについてはその都度お玉ですくっています。
そして、これらのスープストックでコンソメを作って試食を行ったそうな。
その結果、美味しさの順番は、B>A>C>Dだったそうな。つまり、
- 肉を浸水させてその液で加熱したもの
が一番評価が高いことが分かりました。
浸水液で加熱するとアクが抜ける?
どうしてこのような結果になったかというと、アクの量とうま味の流出に関係があります。
改めて美味しさの評価順を書くと、B>A>C>Dですが、まずアクの量を比べてみます。
すると、B>A>C=D、の順番でした。つまり、アクの量が多く除かれるほど基本的には美味しいと評価されるわけです。
また、アクに含まれていたアミノ酸の割合を比べてみると、C>A=B=D、の順番でした。
つまり、加熱せずに肉を浸水させたときに最もアミノ酸が肉から流出するというわけです。
もっというと、うま味成分は浸水液に最も含まれているということですな。
そう考えると、この浸水液を捨ててしまったDが一番マズいスープだったと評価されるのは当然で、あとはアクがどれだけ除去できたかによるわけです。
なぜBがもっともアクが除去できたのかはよく分かっていないのですが、あらかじめ浸水させたBは浸水させなかったAよりも2倍近く脱脂アクが多くなっており、ただ浸水させただけのCもAより脱脂アクの成分が多かったそうなので、浸水によってアクがでることは間違いないようです。ただ加熱によってでるアクももちろん多いので、ただ浸水させるだけではアクは除去し切れないようです。
ともあれ、牛すね肉を使うときは、一度浸水させてからその液で加熱する、というのが最も効果的だったそうで、今度牛すね肉でシチューやスープを作るときは試してみてくださいませ。
どうぞよしなに。
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