冷めてもおいしい白飯を炊くための浸水方法


ご飯を炊くときの水ってどうしていますか?
「そんなの水道の水を直で入れてそのまま炊いてるよ!」って人が大半だと思います。

しかし実は、その時に使う「水の温度」によって一度冷めた米でもおいしく食べることができるんです。特別な水などが必要なわけじゃなくて、その時の温度が重要なわけですな。

お弁当のご飯だったり、朝炊いた米を夕飯に食べる場合など、ちょっとポロポロしていておいしくないと思ったことのある人はいると思いますが、そういう場合でも品質が長持ちしておいしく食べられるのです。

米を浸水させるときの水の温度

ご飯を炊くときに炊飯器を使う人もいれば、土鍋を使う人もいると思いますが、どちらにせよ「米を水に浸けて吸水させる工程」が必要となります。最近の炊飯器はスイッチを押したら米の吸水時間も含まれているため、あらかじめ米を浸水させる作業は必要ありませんが、炊飯器の中で自動でその作業をやってくれているわけです。

1994年に農業食品産業技術総合研究機構が発表した研究(1)によると、このとき米を浸水させる水の温度によって、冷めても米がおいしいかどうかが決まっているというのです。

結論から書くと、米を吸水させるときの水の温度は5℃以下のときに最もおいしさが長続きします。

低温の浸水でおいしさが増す

まず実験では、

  • 5℃、15℃、25℃の3パターンの水を用意
  • それぞれの温度で10~720分間米を浸水
といった条件で米を炊いたんだそうな。

結果何が分かったかというと、水温が低くなるほど、
  • 米の吸水に時間がかかった
  • しかし、最終的な吸水量は多くなった
といった感じ。そして、低温で浸水させ吸水量が多くなった米は、味・粘り・硬さが良好になっておいしさが増したそうです。

水道水の平均温度は年間で約17℃。夏場の最高で28℃、冬場の最低でも8℃ぐらいなので、水道水をそのまま使ったのでは5℃より全然高いですよね。

ちなみに具体的に完全吸水までかかった時間は、
  • 5℃:120分
  • 10℃:90分
  • 25℃:60分
ぐらい。「夏場は30分、冬場は1時間半の吸水」ということはよく言われますが、それでも全然足りないことが分かります。

そしてさらに、5℃と25℃で120分浸水させて炊いたものを2パターン用意し、そのあと12時間放置して再加熱したものを比べました。


すると、25℃で浸水させたものよりも5℃で浸水させたもののほうが、約5%ほども水分の蒸発量が少なくパサつかなかったんだとか。

つまり低温で浸水させたもののほうが時間が経っても水分が保持されたままで、粘りやモチモチ感が持続されたんですねえ。

冷めてもおいしい浸水方法

ではどうやって米を浸水させて炊けばいいでしょうか。
水道水では温度が高すぎるため、浸水の段階でもっと温度の低い水を使う必要があります。

考えられる方法としては、
  1. あらかじめ冷蔵庫で冷やしておいた水を使う
  2. 浸水させるときに米ごと冷蔵庫に入れる
  3. 氷水を使う
といったところでしょうか。

冷蔵庫の温度は平均して約5℃ぐらいですから丁度いいですよね。

また、前の日の寝る前にタイマー付きの炊飯器に米をセットして、朝丁度炊けるようにしているという人もいると思います。

そういう場合は、「氷+水」を分量通り炊飯器に入れておいても良いと思います。
炊飯が始まる頃にはおそらく氷も溶けているでしょうしね。

水の量に関しては、浸水させる前の米1合(=150g)に対して200ccが基本となりますので、好みによって水(+氷)の量は増やしたり減らしたりしてみてくださいませ。

どうぞよしなに。

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