飲んだあとにラーメンを食べたくなるのはなぜなのか?
かく言う自分も、体に悪いと思っていてもどうしてもやめられず、あとになって胃もたれを起こしたり、体重計に乗ってみて後悔するということもしばしば…。
この回避しがたい生理現象をどうにか回避できる方法はないもんでしょうかね。
そもそもどうして酒のあとにこういうものを欲してしまうのかをまず解説したいと思います。
低血糖が原因
飲んだあとにラーメンとか炭水化物系を欲してしまう理由についてまず考えられるのは、糖分の不足であります。
まず、肝臓はピルビン酸という物質から糖分を合成することにより、血糖値をコントロールしています。
そして、アルコールは体内に入ってくると肝臓で分解されますが、その分解過程でNADAという物質が作られます。
しかし、NADAはピルビン酸を乳酸に変えてしまう性質を持っているために、必要な糖分を作るためのピルビン酸が不足してしまい、結果糖分不足になってしまうわけです。
つまり、
- アルコールが肝臓で分解される
- NADAが作られる
- NADAによって、ピルビン酸が消費される
- ピルビン酸から糖分が作られる量が減り、低血糖になる
- 結果、炭水化物から糖分を摂取する
といった図式であります。
アルコールを分解するためにエネルギーが使われるから、飲んだあとは何か食べたくなると勘違いしている人は多いと思いますが、実際はアルコールによって低血糖になるために炭水化物や糖分を食べたくなるというのが理由らしいですな。
ここ数年、飲んだあとにアイスクリームやパフェとかを食べるのがブームになっているのもそう考えると頷けますな。
セロトニンが不足する
ロイヤルオタワヘルスセンターというカナダの精神病院の研究(1)によると、飲酒量が多い人ほどセロトニンの分泌が減ることも分かっております。
「幸せホルモン」とも呼ばれているセロトニンですが、これは精神安定のほかに消化器系に作用して食欲を抑える働きも持っているます。
つまり、飲酒によってセロトニンが減っているために食欲が暴走してしまっているわけです。
さらに、セロトニンを合成するにはトリプトファンというアミノ酸が必要になるのですが、この過程でまた糖分が必要になります。
セロトニンが減っている状態から回復しようとセロトニンを分泌しようとすると、糖分が必要になるので、これまたラーメンとかの炭水化物を欲する原因となるようです。
飲酒後の食欲を抑えるために
なので、飲酒後にラーメンなどを食べてしまうのを防ぐためには、
- ピルビン酸を増やす
- セロトニンを合成しやすくする
というのが重要だったりします。
まず、ピルビン酸はアラニンというアミノ酸からも合成できます。
これはピルビン酸にアンモニア分子がひとつ付いているだけなので、肝臓で簡単に分解できるわけです。
アラニンは、
- 赤身の魚
- 鰹節
- シジミやあさり
- 豚肉
- 豚や鶏のレバー
などに多く含まれています。
また、飲む前にサプリなんかで摂取しておいても良いと思います。
次にセロトニンですが、
- トリプトファン
- 5-HTP
- ビタミンB6
のような栄養素を摂っていると良いでしょう。
食品では、
- ナッツ類
- 赤身魚
- 牛レバー
- チーズ
なんかに多く含まれています。
同じくサプリなんかで手軽に摂るのもよろしいんじゃないかと。
まとめ
- 飲んだあとにラーメンが食べたくなるのは、アルコールによってピルビン酸やセロトニンの分泌が減るから
- 飲酒後の食欲を抑えたいんだったら、アラニンやトリプトファンなどが多く含まれている食品やサプリを試してみてくださいませ
とりあえず飲みすぎにはお気を付けを。適量の酒を肝に銘じてくださいませ。
どうぞよしなに。
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