種類や価格で使い分け!美味しいお茶を入れるための最適な温度
コンビニや自動販売機でもペットボトルで売られてはいますが、まだまだ家で入れて飲むという人も多いはず。
ですが日本人にとってあまりになじみのある飲み物であるがゆえに、その入れ方については割と適当に入れてしまっているんじゃないですか?
その中でもお茶を入れるときのお湯の温度って特に大事なんですが、高ければ高いほど良いというものでもなく、沸騰したもので入れたほうが良いときもあれば、それより低い温度で入れたほうが良い場合もあります。
お茶の種類や価格などによって引き出したい成分も変わるので、それぞれお茶を入れるときの最適な温度も違ってくるわけです。
お茶を入れる最適な温度は?
おいしいお茶を入れるためには、使う茶葉によってお湯の温度を変えなければなりません。
1973年に行われたお茶の入れ方に関する研究(1)では、
- 玉露(上)
- 玉露(並)
- 煎茶(上)
- 煎茶(並)
- 番茶
- ほうじ茶
について、
- 茶葉の量
- お湯の量
- お湯の温度
- 抽出時間
をいろいろと変えて、それぞれお茶のおいしさにどんな影響があるのかを調べました。
結果、
- 高級茶(玉露や煎茶の上)になるほど、低温で長時間かけて入れたほうがおいしい
- 下級茶(煎茶の並)や番茶、ほうじ茶では、高温で短時間のうちに入れたほうがおいしい
ということが分かりました。
具体的には、
- 玉露の上と並:50℃で150秒
- 煎茶(上):60℃で120秒
- 煎茶(並):90℃で60秒
- 番茶とほうじ茶:100℃で30秒
でお茶を入れると最もおいしいらしいです。
高級茶では低温&長時間、下級茶や茶色いお茶では高温&短時間でやると覚えておけばとりあえず良いでしょう。
また、
- 玉露:70℃以上で90秒以下の高温&短時間
- 煎茶(上):80℃以上で90秒以下の高温&短時間
と逆のことをやってしまったり、
- 煎茶(並):100℃で60秒以下の超高温&超短時間
- 番茶とほうじ茶:100℃で即時の超短時間
とあまりに茶葉を抽出する時間が短すぎても、おいしさは有意に減退するそうです。
茶道というものが長い歴史で廃れないように、なかなかお茶の世界は難しいもんですねえ。
ちなみにこの実験では急須を使用しており、ヤカンなどで直に煮だした場合では茶葉に対してお湯の量が多くなるので、結果はまた違ってくると思われますのでご注意を。
とは言え、お湯の温度が微妙に狂うだけでもお茶のおいしさに影響があるのは間違いないところ。温度計がなくてもお湯の温度を調節できる方法なんかも過去に書いてるのでご参照あれ。
まあ、面倒なんで自分は調理用の温度計買っちゃってますけどね。
お湯の温度だけじゃなくてチャーハンとか炒め物してるときの鍋の温度とかも触れずに計れちゃうんで、調理オタク的にはなかなか便利だったりします。体温計なんかにも使えちゃったりなんかも…。
渋み vs うま味 vs 香り
どうしてお茶の種類や価格によってお湯の温度や抽出時間を変えなくちゃならんのかっていうと、それは引き出したいお茶の成分によって抽出されやすい温度帯が違うからです。
例えば、渋み成分であるカテキンは80℃以上の高温で抽出されやすく、うま味成分であるアミノ酸は50℃あたりの低温で抽出されやすいという特徴を持っています。
つまり、玉露などの高級茶はうま味が特徴なので、50~60℃の低温でうま味をじっくりと引き出し、渋みは抑えてあげたほうがおいしく仕上がり、
下級茶になるとうま味成分が少なくなるので低温で抽出してもほとんど意味はなく、逆に80℃以上の高温で渋みを楽しむようになります。
また、ほうじ茶や番茶、紅茶などは香りが特徴なので、100℃で短時間で抽出することによって、香りが最大限引き出され、さらに短時間なので渋みも多すぎることなく適度な苦さになるというわけです。
とは言えお茶の種類に関わらず、それぞれ好みはあると思います。
なので、苦いお茶はあんまり好きじゃない、みたいな人は冷蔵庫などで一晩抽出する「水出し茶」で苦さを抑えてうま味を出す方法を試してみたり、
もしくは、苦いお茶が大好きなんだ、って人は高めの温度で長い時間抽出してみると好みのお茶が作れると思います。
まとめ
- 高級茶などのうま味を楽しむお茶は、低温&長時間抽出
- 低級茶などの渋みを楽しむお茶は、高温&短時間抽出
- ほうじ茶や番茶などの香りを楽しむお茶は、沸騰したお湯で30秒ほど抽出
- とは言え、好みがあると思うので、いろいろ試してみて最後はご自由に
どうぞよしなに。
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