あの調理器具を使って簡単に温泉卵を作る方法
それに、卵は1日3個以上食べても大丈夫っていうのは常識になりつつありますから、バンバン食べたいところです。
けど温泉卵って普通のゆで卵と違って、温度管理をしっかりしなくちゃいけないのでちょっと難しいと思うんです。
温度が高すぎると白身が固まり過ぎちゃって普通のゆで卵と変わらなくなるし、
逆に大量に作ろうとして卵をたくさんお湯の中に入れてしまうと、お湯の温度が低くなりすぎて、白身も黄身も半熟に仕上がらなかったりとか。
だからといって温度計を使って付きっきりで鍋を見張るのもめんどくさいですよね。
しかし、そんな悩みもあの調理器具を使うことで完璧な温度帯で温泉卵が作れちゃうのです。
放置するだけの簡単温泉卵
温泉卵とは、卵白も卵黄のどちらも半熟状態に仕上げるゆで卵のことですが、
その温泉卵を作るのに最適な調理器具、それは炊飯器です。この保温機能を使って温泉卵を作ります。
炊飯器の保温温度は、メーカーや機種によって微妙に違いますが、基本的に60℃~74℃に設定されています。
温泉卵を作るときのお湯の温度は65℃~70℃前後なので最適というわけです。
やり方としては、
- 65℃~70℃ぐらいのお湯を準備する
- 炊飯器の中にお湯と卵を入れる
- 10~20分ほど放置する
これで完成です。
もし抵抗が無ければ、ラップで卵を包んだり、清潔なビニールなどに卵を入れてそのまま炊きあがったご飯の上に置いて15分前後保温しても出来ます。
お湯を用意するのが面倒くさければこの方法でもいいですね。
ご飯が炊きあがった後に、ついでにも作れますし。
お湯の準備方法
温度計で計りながら鍋でお湯を沸かしてもいいのですが、温度計を持ってないという方や付きっ切りで鍋を見てるのもめんどくさいという方もいると思いますので、別の方法もご紹介します。
それは沸騰したお湯に水を加える方法です。
温度の違う水AとBを合わせてできる水の温度は、
(Aの温度 × Aの量 + Bの温度 × Bの量) ÷ (Aの量 + Bの量)
で計算できます。
水道水の温度は約16℃で、沸騰したお湯は100℃なので、
沸騰したお湯を1000cc用意した場合、550cc~700ccの水道水を加えれば65℃~70℃になります。
沸騰したお湯の量を2倍、3倍に増やすときは、同じように加える水道水の量も2倍、3倍にすればいいです。
また卵を入れた時に温度が下がってしまうんじゃないかと心配する人もいると思うんですが、
炊飯器が温度の調節をしてくれるので、多少卵の入れる数が多くてお湯の温度が下がってしまっても、すぐ最適な温度に戻るため大丈夫です。
卵を加熱する時間
卵を炊飯器で保温しておく時間は10~20分で大丈夫です。
30分以上保温しておくと固まり過ぎてしまう可能性があります。
調理と理論の山崎清子氏の実験で、
卵を茹でる時間を1分~35分までそれぞれ試し、お湯の温度を65℃~100℃に変えて卵黄と卵白の状態を調べたものがあります。
その結果、
- 65~75℃で10分:卵白生と半熟が混在、卵黄半熟
- 65~75℃で15分:卵白半熟、卵黄半熟
- 65~75℃で20分:卵白半熟、卵黄少し固まる
- 65~75℃で25分:卵白半熟より少し硬い、卵黄固まる
- 65~75℃で30分:卵白と卵黄のどちらも大部分固まる
になることが分かりました。
炊飯器の保温温度もだいたいこれぐらいの温度帯なので、炊飯器に卵を入れておく時間は、
- 卵白が少し生のものが好みなら10分
- 適度な固まり加減がいいなら15分
- ちょっとだけ卵黄が固まっていたほうがいいなら20分
といったところでしょう。それ以上やってしまうと温泉卵と言うには固くなりすぎてしまいますのでご注意を。
温泉卵ができるメカニズム
卵が固まる理由は、卵のもつ「熱凝固性」が原因です。これは卵のたんぱく質が熱によって固まる性質なのですが、ある魔法の温度で茹でるとあっという間に求めていた卵の状態に固まる!という単純なものでもありません。
卵の中にはいろいろな種類のたんぱく質が含まれており、それぞれ固まる温度も違います。野菜を茹でたり炒めたりする場合は、火の通りにくいものから順番に入れて調節することもできますが、卵の場合、性質の違うたんぱく質をそれぞれ分けて茹でることもできないから難しいわけですな。
卵に含まれるたんぱく質は大きく分けて、卵白に含まれるオボトランスフェリンとオボアルブミン、そして卵黄に含まれるリポビテリンです。
それぞれの特徴として、
- オボトランスフェリンは、卵白のたんぱく質の約12%を占め、約60℃で凝固開始
- オボアルブミンは、卵白のたんぱく質の約54%を占め、約80℃で凝固開始
- リポビテリンは、卵黄のたんぱく質の約70%を占め、約65℃で凝固開始、75℃前後で完全凝固
炊飯器に卵を入れた場合、温度は60~74℃に保たれるため、卵白の大部分を占めるオボアルブミンは固まりません。
そして、適度な時間加熱されることによりオボトランスフェリンとリポビテリンが適度に固まり、温泉卵ができるというわけです。
ただし、あまりに長時間加熱しすぎると、オボトランスフェリンとリポビテリンのどちらもすべて固まってしまい、卵黄は完全凝固、卵白もゆで卵まではいかないが固くなってしまいます。
まとめ
簡単に温泉卵を作るには、
- 沸騰したお湯1Lに対して水道水600ccぐらいを混ぜて、70℃前後のお湯を作る
- そのお湯を炊飯器に入れて卵を保温する
- 保温する時間は、
- やわらかいものが好みなら10分
- 適度な固まり加減がいいなら15分
- ちょっと硬めがいいなら20分
でやると良い感じに温泉卵ができるんじゃないでしょうか。
ちなみにお湯を準備しないでも、炊けた米の中でそのまま卵を保温しても同じように出来上がります。
どうぞよしなに。
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