あの食べ物で頭の回転が速くなるかも?という話
DHAとかEPAがなぜ頭を良くしてくれると言われているのかというと、だいたいは発達障害だったりもともと成績の悪い子供たちに摂取させると学習能力が上がる(1,2)ということが分かっているからなんですね。
しかし、もともと成績がそんなに悪くない子供たちに摂取させてもあんまり効果がないということが分かっておりまして、約8割ぐらいの人たちにとっては意識的に魚を食べたところで、あんまり頭は良くならないよ、というのが実際のところなわけです。
そんな中、「鶏肉で頭が良くなるかも!」みたいなことが健康的な若者でも同じように起こるみたいなデータ(3)があり、おもしろかったです。
鶏肉の成分が頭の回転を速くする
これはチキンエッセンスに関するデータを1760件選び、そこから質の高いものを8件まとめて計796人分のデータを分析したメタ分析になっております。
メタ分析とは研究者や参加者の偏見をできる限り取り除いた上で行われた実験だけを数件集めて分析されたもので、科学的な信憑性は現在のところダントツでトップのものになっております。
ちなみにチキンエッセンスとは、いわゆる鶏ガラスープのことですね。鶏肉を丸ごと煮込んで鶏肉に含まれるうま味やアミノ酸を凝縮したものです。
そしてこのデータで何が分かったかというと、
- チキンエッセンスを継続的に摂取していると、脳のワーキングメモリが向上する
ということが分かったんだそうな。
ワーキングメモリとは簡単に言うと、短期記憶のことで、中でもその覚えた情報を瞬時に使える能力のことを言います。
いわば、これはスマホのトップ画面の大きさみたいなもんで、この画面が大きいほど色んなアプリを一つの画面に置いておくことができて便利に使うことができますよね。
ワーキングメモリの低い人っていうのはこの、スマホの画面ひとつにアプリを2個とか3個しか置けないようなスマホを使っている人のことを言うわけです。
使いにくくてしょうがないですな。
思考を司る脳領域を活性化
どうしてチキンエキスがワーキングメモリの向上につながっているのかというと、これはまた別の実験(4)なのですが、「背外側側頭前野(dlPFC)という脳領域を活性化してくれる」からだといわれております。
背外側側頭前野は脳の中でもいろいろなところに指令を出している領域なのですが、主に、記憶、学習、理解、推理、推測、抑制、意図、注意、判断、
など思考能力に関わっている分野です。
この領域が発達していないと、例えば、
- 記憶力の低下
- 経験から学習できない、新しいことを学べない
- 頑固になる
- 計画性がなくなる
- 我慢ができなくなる
- 周囲に対して無関心
などなどヤバいことだらけです。
チキンエッセンスを摂取するだけでこれらの能力がアップするのだと知ったら、個人的にもすごく興味が湧いてくるところです。
どれぐらい摂取すればいいの?
実験によると具体的には、
- 毎日70~140mlのチキンエキスを1~4週間飲み続ける
と効果があったらしい。
ちなみにスーパーとかで売られている鶏ガラスープの素だと、製造の過程で有効な成分が消えてしまっているので効果はありません。
手間はかかりますが、自分で作らなければ意味はなし。
それでもスープでとりたい!でもめんどくさい!みたいな人はサプリでも効果があるので、試してみるのはありかと。
そのまま鶏肉を食べたときはどうなのか、ということに関しては何とも言えないところではありますが、
スープのものと比較するとそのままの鶏肉はペプチド化していないので吸収効率も落ちるので、できればスープでとったほうがいいのかなと。
とは言え、成分自体は変わらないので鶏肉をガツガツ食べる生活をすることはワーキングメモリの向上につながるとは思います。
それでもスープでとりたい!でもめんどくさい!みたいな人はサプリでも効果があるので、試してみるのはありかと。
- 脳機能が下位20%以下であれば青魚系に含まれるDHCやEPAも頭の回転に効果はあるが、
- 脳機能が平均かそれ以上であれば効果なし
- であればチキンエッセンスによって脳機能が向上するので、
- 自分で鶏ガラスープを作る
- チキンエッセンスのサプリを使う
- ちょっと効果は薄れるかもしれないが、鶏肉をガツガツ食べる習慣にしてみる
などが脳機能の改善に役立つかと。
ちなみにしっかり鶏ガラスープを作っているラーメン屋とかでも効果はありますが、
油と塩分がプラスされているので、
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