食べる順番を変えるだけでダイエットになるというのはどこまで効果があるの?問題について


「食べ順ダイエット」ってあるじゃないですか。
いわゆる、サラダとかスープを最初に食べて、炭水化物は最後に食べるみたいなやつです。

もっとも一般的な方法だと、
  1. 野菜・スープ
  2. 肉や魚などのタンパク質
  3. 米やパン・麺などの炭水化物
の順で食べるのが良いとされています。
簡単に言うと、カロリーが低いものを最初に食べとくことによって、カロリーが高めなものを食べるころにはもうお腹いっぱいであんまり食べられなくしようっていう作戦です。

直感的にはなんとなく正しいような理屈で、実際に効果があることは確かなのですが、実はこれよりもいい方法が最新の研究により判明しました。

食前の糖質で摂取カロリーが減少

ダイエットに関しての研究で、系統的レビューやメタ分析など質の高い研究データを79件ピックアップし、1273人分のデータを分析しました(1)。

その結果、
  • 食前に糖質を摂ったグループは糖質を摂らなかったグループに比べてそのあとの食事で摂取カロリーが平均52kcal減った
ということが分かりました。

具体的に言うと、だいたい食事の30分前~直前には糖質を摂取して置くとよいみたい。

ごはん茶碗一杯がだいたい240kcalですから、ごはん茶碗の約1/5が食前に糖質を摂るだけで減るのですから試さない手はないかと。

食前に糖質を摂るといってもここでのポイントはがっつり食べるんじゃなくて、ごはんひと口分とかもしくは砂糖ひとなめとかいうレベルでOK。

なぜそうなるのかという明確な根拠はわかっていないのですが、糖質を摂るとインスリンとかの満腹ホルモンが出るので、ある程度早い段階で食事に満足するからなのでしょうな。

要は、普通に食事をしていたらインスリンが分泌されて満腹感を感じる前に気付いたらたくさん食べ過ぎてしまうといったことになるのだけれど、食前にちょっと糖質を摂っておくことによっていつもより早く満腹感を得ようといった作戦になります。

インスリンの量が多くなると太りやすくなるのでは?

インスリンの作用の一つとして、中性脂肪の合成があります。このためインスリンが分泌されれば脂肪が蓄えられやすくなり、太りやすくなるのだと言う人がたまにいます。

しかし実際のところ、インスリンの分泌量と体重の関係は一切ないということがわかっております。

2006年に南オーストラリア大学が行った実験なのですが(2)、肥満気味な参加者90名を集めてカロリーの制限をしたダイエットをしてもらいました。その際参加者を以下の3種類のグループに分けました。

  • 糖質制限ダイエット
  • 低脂肪ダイエット
  • 高脂肪ダイエット
ちなみに当然ですが3種類とも摂取カロリーは同じぐらいにしてあります。
その8週間後、結果はどうなったかというと、


  • 糖質制限ダイエット:体重4.5キロ減
  • 低脂肪ダイエット:体重4キロ減
  • 高脂肪ダイエット:体重4.4キロ減
といった感じになり、だいたい同じ感じになっております。

このとき、糖質制限ダイエットはインスリンの分泌量が他と比べて33%も低かったのですが、体重の変化に差がありませんでした。
つまり、インスリンの量が体重に与える影響はないということが分かったわけです。

サラダやスープを先に食べるのは実際どうなの?

実際、サラダやスープを先に食べることも食欲を抑えてダイエットに効果があることも分かっています。

実験では、
  • 食前に低カロリーなものを食べたグループ(サラダなどの食物繊維やスープなどの水分が多いもの)
  • 食前に高カロリーなものを食べたグループ(肉など脂肪分の多いもの)
に参加者を分け、どのくらい食欲が減るのかを調べました。

その結果、
  • 食前に食物繊維や水分を摂ったグループは、その後の摂取カロリーが平均して94kcal減る
ということが分かったんだとか。

一般的な食べ順ダイエットのサラダとスープの順序は実際正しかったわけです。

まとめ

ということで、食べる順番によって食欲を抑え摂取カロリーを減らすことは可能です。

具体的には、
  • できれば食事の30分前、厳しいようなら直前でも構いませんが、何かしらちょっと糖質を摂っておく
  • 食事中はサラダもしくはスープを最初のほうに食べる
ということを意識してもらえばいい感じで食欲も抑えられてダイエットに効果があるかと。

どうぞよしなに。

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