この方法で子供のピーナッツアレルギー発症を80%以上も防ぐぞ!という話


約50年前までは日本にアレルギーというものはほとんどなかったそうです。それが今となってみれば、日本人の約3人に1人がなんらかのアレルギーをもっていると言われております。

ピーナッツアレルギーに関しても無視できない問題でして、他のアレルギーの中でも問題視されるのが遅かったアレルゲンのひとつだったのですが、ここ10数年で発症率が2倍近くになっている食べ物なわけです。

そんな中2015年に、「小さいころからピーナッツを食べている子供は、アレルギーになりにくいんじゃないの?」みたいな研究(1)をしてくれていて助かります。

小さいころにピーナッツを食べさせ続けてアレルギー発症率が激減!

ざっくりとした実験デザインは以下のような感じ。
  • もともと湿疹持ちだったりなどアレルギー体質な乳児(生後4ヵ月~11ヵ月未満)689人を観察
  • パッチテストでピーナッツに弱い体質の人と強い体質の人に分ける
  • それぞれピーナッツを定期的に摂取させるグループと、ピーナッツ食品を避けてもらうグループに分ける
  • 生後60ヵ月(5歳)までにピーナッツアレルギーを発症したかどうかを調べる
みたいな内容になっております。

ピーナッツアレルギーは小さいころに発症して大人になってからではめったに発症しないのが普通なので、5歳までの間にピーナッツを食べる習慣のある人とない人でアレルギーの発症率がどうなるのかを調べたわけですね。

結果、ピーナッツを食べ続けたグループはそうでないグループに比べて
  • ピーナッツに強い体質の人で89%もアレルギーを発症しなかった
  • ピーナッツに弱い体質の人でも80%もアレルギーを発症しなかった
ということが分かりました。


そもそも、何でこの実験が行われたかというと、
イスラエルではもともと生後7か月ぐらいで乳児にピーナッツ食品を導入し始めるようなんですが、対してイギリスでは生後1年を経ってもピーナッツ食品を食べることは少なかったのだとか。

そして、イギリス在住のイスラエル人とイスラエル本国に暮らす人たちを比べた時に、イギリスに住むイスラエル人は本国で暮らすひとたちよりも10倍近くピーナツアレルギーになる確率が高かったようなんですね。

まあ、子供のころ泥んこになるまで遊んで小さいころにいっぱい菌をもらったほうが、大人になったときに耐性ができて体が丈夫になっている、みたいな話と同じようなもんでしょうな。

またこの実験では、もともとアレルギー体質の子供を集めていることから、アレルギー体質の子供にアレルギーの原因となる食べ物を与えるなんて!と、
安全面において心配になる方もいると思いますが、この実験では特に重大な病気や症状になって体調が悪化したみたいなことになった子供はいませんでした。

まとめ

アレルギーの原因になる食べ物はピーナッツ以外にもたくさんあって、そのすべてに対して有無を言わさず小さいころから食べろ!なんてことは今の時点では言えないにしろ、
ピーナッツアレルギーに関してだけは、小さいころに積極的に食べさせたほうがその後のアレルギー発症率が減少したことがハッキリと出たんで、
その他のアレルゲンに関しても単に敬遠するよりも早い段階で食事に導入する手法は結構有力なんじゃないかと思います。

どうぞよしなに。

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