安い鶏肉でも劇的においしい唐揚げにする「2度漬け」の手法とは
鶏の唐揚げといえば、もはや日本の国民食。好きな揚げ物を聞いたインターネット調査では、海老フライやトンカツ、コロッケを抜いてぶっちぎりの一位(1)。
そんな鶏の唐揚げですが、
家で作ろうと思ってもなかなか外で食べるもののようにジューシーにならず、パサパサでうまくいかないという人も多いです。
ということで今回は、あるひと手間だけでいつも家で買う安い鶏肉でも口に含んだ瞬間ジューシーで肉汁のしたたる唐揚げを作る方法をご紹介いたします。
たったこれだけ。ポイントは「2度漬け」
ポイントはひとつだけ。お肉に下味をつける前に、ブライン液という液体にお肉を10分ほど漬け込むだけです。
そのあとは普通に醤油や酒、生姜などいつもの味付けでお肉に味をつけて揚げてください。
ブライン液とはなんぞや?
スーパーとかで買えるの?
とか思った人も多いと思いますが、特別なものではありません。
自宅で簡単に作れます。
具体的に言うと、
ブライン液とは、水100ccに対して、砂糖10g、塩5gを溶かした液体です。
この液体に肉を漬けたあと、ザルなどで余分な水分をきって、調味料に漬け込むだけです。
ブライン液がお肉をおいしくする理由
どうして水と砂糖と塩だけでできたブライン液が
唐揚げをおいしくするでしょうか?
それはジューシーさとは何であるかということに秘密があります。
唐揚げをおいしくするでしょうか?
それはジューシーさとは何であるかということに秘密があります。
噛みしめたときに肉汁がブワァーと口の中で広がり、
唾液が止まらないようなジューシーな唐揚げこそおいしい唐揚げの要素ですが、
このジューシーさの正体とは一体なんなのでしょうか?
唾液が止まらないようなジューシーな唐揚げこそおいしい唐揚げの要素ですが、
このジューシーさの正体とは一体なんなのでしょうか?
その答えは、鶏肉に含まれる「脂」、そしてもうひとつが「水分」です。
これらが多いほど、ジューシーさを感じやすいのですが、鶏肉の場合問題があります。
そもそも鶏肉に含まれる脂は、100gあたりムネ肉だと1.9g、モモ肉でも5gしかありません。
対して、牛肩ロース肉では12.2g、豚バラ肉では34.6gと圧倒的に他の肉と比べて鶏肉には脂質が少ないんですね。
そもそも鶏肉に含まれる脂は、100gあたりムネ肉だと1.9g、モモ肉でも5gしかありません。
対して、牛肩ロース肉では12.2g、豚バラ肉では34.6gと圧倒的に他の肉と比べて鶏肉には脂質が少ないんですね。
脂質が少ない分、揚げた時にジューシーさを感じにくく、いくらおいしい味付けをしようがパサパサでおいしくないという事態になりやすいわけですな。
そこでもうひとつのジューシーさの要素である「水分」が鶏の唐揚げでは重要になってくるのですが、
ブライン液は効率よく鶏肉に水分を吸い込ませてジューシーさを与えてくれるものなのです。
そこでもうひとつのジューシーさの要素である「水分」が鶏の唐揚げでは重要になってくるのですが、
ブライン液は効率よく鶏肉に水分を吸い込ませてジューシーさを与えてくれるものなのです。
普通の水じゃダメなの?
普通の水でもいきなり調味料に漬けるよりはいいです。しかし、ブライン液のほうが塩と砂糖の効果により、肉をより柔らかくジューシーにしてくれます。
まず「塩」の効果ですが、
ここでの役割はもちろん味付けではありません。
直接塩が食材に触れると、塩分はジワジワと食材にしみ込んでいくのですが、
液体に溶けた状態の塩(塩水)は「塩分」だけでなく「水分」も急速に浸透させる効果があります。
これは塩分が食材に浸透する際に肉の細胞膜を壊しながら浸透するため、水分もより食材に浸透しやすくなるためです。
ついでにこの効果で肉自体も柔らかくなるという、一石二鳥の効果があるんですな。
次に「砂糖」の効果ですが、
砂糖には水分の保有を維持してくれる効果があります。
保水性と呼ばれる効果なのですが、砂糖には肉の中にせっかく浸透した水分を逃がさず
調理の段階でもジューシーさを損なわないように保ってくれる性質があるのです。
また、他にも砂糖には肉中に含まれる固い筋繊維を水分と結合させ、やわらかくしてくれる効果も持っています。
もうここまでの効果があるのなら、ブライン液使わない手はないですな。
まとめ 鶏の唐揚げレシピ
1.お好みの鶏肉を食べる量用意する
(モモ肉、ムネ肉、手羽先、手羽元、何でも構いません)
2.水100cc、砂糖10g、塩5gの割合で混ぜ、ブライン液を作る
(鶏肉の重量の10~15%が肉に吸収されるので、肉500gの場合はブライン液50~75gは必要になります。余裕をもって仮に肉500gで作る場合は水100ccの割合で、肉1kgで作るのであれば水200ccの割合で作ってみましょう)
3.ブライン液と鶏肉を揉み込んで、10分ほど置く
(2~3分でどんどん水分が減ってくるのが分かりますが、流水で解凍した肉などあらかじめ水分を吸ってしまった肉は吸水しないのでご注意ください)
4.余分なブライン液をザルで切る
(吸いきれなかった水分は油ハネの原因になります)
5.調味料を揉み込む
(味付けはお任せしますが、筆者おすすめを一応載せておくと、醤油小さじ4、酒大さじ8、ごま油大さじ8、塩小さじ4、胡椒小さじ2、生姜にんにく各ひとかけ、5分ほど置いてザルで切ってください)
6.揚げる
(小麦粉もしくは片栗粉をまぶし、170℃の油で2分、取り出して5分休ませ、200℃の油で30秒揚げて完成)
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